財テク失敗談NO.1

−詐欺集団にご用心−

NO.2 株式取引失敗談
<インチキ投資顧問>
NO.1 商品先物失敗談
商品先物業者は合法的詐欺集団>

目次

財テク失敗談NO.2

NO.2 株式取引失敗談

11.投資顧問業者(8) 内閣支持率と日経平均

10.投資顧問業者(7) 予測について

9.投資顧問業者(6) 契約書のハナシ

8.投資顧問業者(5) 21世紀情報サービス

7.投資顧問業者(4) 評論家の予測

6.投資顧問業者(3) 政治銘柄のハナシ

5.投資顧問業者(2) 会費の値上げ

4.投資顧問業者(1) 綴じ込み葉書

3.魑魅魍魎の世界

2.証券会社初訪問(2)

1.証券会社初訪問(1)

NO.1 商品先物失敗談

10.東京トウモロコシ(8) 最終場面

9.東京トウモロコシ(7) 再度の勧誘

8.東京トウモロコシ(6) 百戦錬磨

7.東京トウモロコシ(5) 巧妙なる手口

6.東京トウモロコシ(4) 云われ放題

5.東京トウモロコシ(3) 突き放され引き戻され

4.東京トウモロコシ(2) 倍々ゲーム

3.東京トウモロコシ(1) 欲ボケ

2.東京ゴム(2) ご面談

1.東京ゴム(1) 電話攻勢


NO.1 商品先物失敗談

1.東京ゴム(1) 電話攻勢

近頃、ヤタラ電話が掛かって来ます。昨年前半まではナカッタことです。
ナンとか商事、物産、洋行、フューチャーのナンとかさんからショッチュウです。
これで、ナンの関係の会社かが分かったら興味があるか迷惑されてる人です。
この手の名称の会社は先物取引仲介業者。勿論、ナンとか商事、物産、洋行はチガウこともありますが、フューチャーはマサシク、其れです。
フューチャーは未来のことです。商品先物ですから、未来にマチガイはナイ。やたら、カタカナにされて、いかにも近代的な会社のイメージですが、電話がヒツコイし頭に来てます。電話での勧誘は、金、トウモロコシ、ゴム。
「シバタさん、興味はありますか。イマ、動いてますよ。絶好のチャンスです。」
「お久しブリです。覚えておられますか。」
「先日、お電話したモノですが。」
等々、あっちこっちから電話があって、ダレが何処のナニさんか分からんがな。
それにしても、ナンで私の電話番号を知ってるのか不思議です。教えた覚えはナイのです。
「サア、どおやったかなあ。覚えてませんけど。」
「そうですか。一度、お会いして説明したいのですがイツが宜しいですか。」
「興味がナイし、やる気もナイ。そんなことして戴くことはありませんです。」
「そんなこと仰らずに説明だけでもさせて戴きたいのです。」
「云われても、お金がナイし、やりません。時間のムダです。」
「イヤ、どんな具合になってるか新聞でも知っておられるでしょう。」
とかナンとかカとか、ヤランと云うのに話が終わってくれません。
「スミマセン。折角やけど切ります。」
一方的に切らんことにはダメです。
さて、私が電話でやる気がナイと返事したのはホンマですけど経験は有るのです。
最初は昭和の晩年で15年くらいマエになります。
突然、会社に電話があったのです。但し、このトキはやってません。こんなことがあったと云う、経過説明だけです。
(00/03/13)


2.東京ゴム(2) ご面談

電話の主は大学の卒業名簿で私のことを知ってるらしいのです。
会社のソバまで来てますので、十分程度時間を頂ければ嬉しいのですがやて。
相手の名前は記憶ナシ。会社の名前も初耳。用事も不明。単に大学のと云うから、こっちが忘れてるだけで、ナニか関係でもあったのかな。顔でも見たら思い出すやろか。それにしてもナンやろなあとその程度です。
実際にはソバまで来てるどころか、私に会うために来てたのでした。その電話から5分も掛かってナイ。受付の女の子から連絡があったのです。ナンとかさんがご面会です。
エライ、早いなあ。イザ、面会して話を聞いたら大学にはナンの関係もナイ。あくまでも名簿で調べただけやないですか。そお云えば、電話では大学の卒業生とは云うてない。卒業名簿で名前を知ったと云うたからウソではナイ。こっちが勝手に関係者と早やとちりしただけです。
会社でオナジ大学出身のナンとかさん、ナンとかさん等々、皆さんやっておられます。既に、相当儲けて、もっと増やしたいとのご希望です。
その連中は知ってますけど、それでナンやな。主旨が分からん。先物取引なるモノがアルことは知ってましたが、マッタク興味ナシ。
そしたら、年齢30代後半くらいであれば、会社でも一応の立場に居て経済的にも多少の余裕がアル時期になってる。その余裕資金でウンと大儲けしてみませんか。
僅か10万円か20万円でアッと云う間に数千万円になりますよ。
シバタ様、エルニーニョはご存知デショ。ソレが出てるのです。そうなるとゴムがですねえ、不足して急騰するのですよ。
眼に見えてます。マチガイナシ。是非シバタ様にもゴム相場にご参加頂きまして、お喜びして頂きたいのです。
私ドモの会社の名前は経済関係にご興味のある人ならご存じですが、シバタ様はご存知ナイですか。
ナンとか系(大商事会社)の会社です。商品先物を行うには会員であることが要件でして、当然なっておりますのでご安心下さい。ホレ、このとおり一覧表にも記載されてます。
ご資金の回収が心配かも知れませんが、これはベツに管理致しますので、大丈夫です。そんな可能性はありませんが、私ドモの会社にナニかあっても資金は戻りますので。
今回は説明だけですので、ごユックリ検討して戴いて、マタお電話なりして頂ければお伺いさせて戴きます。
相手は、20歳そこそこのヤツやがな。そんなに儲かるのやったら、自分でやったら佳いのやで。
イヤ、私ドモは禁止されてます。
そおですかいな。
最初はそれだけで、ハイ、サヨウナラでした。お別れして仕事に戻って、一時間もしたら電話があったのです。
その会社は大阪やから、戻ってスグに電話してるのです。
シバタ様、先程のモノです。
帰ったら、急騰してるのです。大変です。注文の電話がジャンジャン鳴ってます。
ではありますが、サッキお会いしたシバタ様を最優先にしてますので、三日以内にお金を振り込んで下さい。ナンならウエに頼み込んでご用立てしますけど。
ソノ電話の音ですが、ナニやら特殊装置でも付いてます。反響音がしてまして、五月蠅いのです。如何にもそこらで電話が鳴ってるような雰囲気だけはしてるのですが、実際はどおなんやろなあ。
そんな細工をしてるのが手に取るように分かったのです。気に入らんから、アッサリ断った。
お金を三日以内に調達はムリやで。さりとて、借りるのはもっとイヤです。
そのトキはそれでオシマイでした。
(00/03/14)


3.東京トウモロコシ(1) 欲ボケ

先日、久しブリにマエの会社の友人と合いました。
その話のナカで、最近白金が高騰してるらしいと云うのです。商品先物の話です。
私もやったことあるけど、先物は辞めたホウがエエで。
絶対に儲からんようになってるで。余程の意志が有ったらベツやけど、人間やから無理やろなあ。
それでも、高騰してたら儲かるやろなあ。
それがソウは往かんのや。
そんな話です。
財テクは何人もの知人がやってますが、商品先物だけは辞めたホウが佳いと助言してます。
イマドキなら、インターネットでも出来るらしいですが、危険の度合いは一緒です。
数年マエにNHKテレビでもやってました。商品先物は合法的な詐欺行為であり、一般人はカモにされてしまうとの内容で、手口も放映の通りです。この放送がもっとマエなら、はまってナカッタのに。そのトキには撤退してましたが、佳い勉強になったと思てんとショウガナイのですが、キズは深かった。深い分だけ犠牲者を出したくないとの気持ちが大きく、其れがここからの話です。
初回の東京ゴムは、以降連絡ナシ。
すっかり、忘れた頃にホカの商品先物関係から会社での接触がありました。
ワケの分からん相手に面会することもないのですが、受付からダレソレさんがお見えですと云われたら、ナニかなあ程度で合おてしまいますがな。
殆どが製品の材料関係、装置関係、トキタマですが、学生時代の親友です。会社にも用事があって、そのツイデですが、知ってる人もあるし、初対面のカタもあるのです。どっちにしても、仕事関係ばっかりやから気にもしてません。
会社としては金融関係。例えば、保険屋さん、取引銀行以外は取り次ぎしないことになってます。取引銀行が私なんかに用事はナイけどなあ。
ところが、この系統の会社は社名だけではナンの会社か判断出来ません。私も知識はナカッタし、受付の子も知識がナイからで、何処からどんな具合に調べるのか、あの手この手で接触して来るのです。
前回は昭和末期で卒業者名簿。そのトキは株主名簿と云いました。
正直云うて平成に入ってからは株式もやってました。そんな名簿を公表するのかなあ。それは、何処の会社かと聞いても教えてくれません。抜粋だけがウエから回って来たとの回答。
私にしても、何処の会社か聞くこともナイのです。一介の会社員の資金でやってるだけやから、見当くらい付きます。
このトキも、アッサリ断りました。理由は簡単で、株式はほっといても大丈夫やけど、先物となると常時監視してんとアカンような印象があったし、仕事が忙しいから構てられん。
ところが、この業者はヒツコかったのです。何回も何回も連絡して来て、私もよせばヨイのに、合おてしもた。私だけではナク沢山の人が面談してたようです。
怖いモンで、以来気にはなってました。ホンマにそんなに儲かるのかいな。人間は弱いモンで、儲かる、儲かる、そんなことばっかり云われたら、ダンダンその気になってしまいます。
「イヤ、先物云うても昔と違って安全です。赤いダイヤの時代ではありません。
シカゴの動向さえ見てたら、日本の動向は分かるのです。一日遅れですから。」
「低い処で買って、高い処で売る。当たりマエのことですが、私なんかそればっかりやってますし、動きなんか一目瞭然。
お客さんからお礼を云われます。よう儲けさしてくれた云うて。」
「本が沢山出てます。この一冊を差し上げますからお目をとおしてください。」
本の名前は、「商品先物入門」
市販されてる本です。本屋さんでホカのも買おたけど、仕組みからはこんなに安全であると、そんなハナシばっかり。危険と書いたものはナニもナイで。
私が商品先物に関心を持ったのは、儲かる儲からないもあったけど、実は仕事上もリストラの進行で、第一線から完全に追いやられた時期でもありました。
時間的にもヒマ。会社も面白くナイし、鬱とした毎日。
思えば、それが最大の原因でした。イヤ、責任転嫁するようではアカンなあ。
私の欲ボケが原因です。
(00/03/19)


4.東京トウモロコシ(2) 倍々ゲーム

欲ボケやったら、私は大丈夫と思う人がある。
私にしたかて、お金ではイロイロあったけど、お金への執着心は左程ではナイと思てます。
諦めが早いと云うか意気地がナイと云うべきか、執念不足か事無かれ主義なんか。
それにしては、財テクの話を企画して、我乍ら可笑しいのです。しかも、失敗談。
云うたらナンですが、私の親には家屋敷どころかナンの財産もナシ。それどころか大したことはなかったのですが借金があったで。
たかが一介の会社員で、それもリストラされて、現在も無職のクセして、自殺もセンとよお生きてます。摩訶不思議な現象ではありますが、別段悪いことしてナイし、悪いことヤレルくらいの勇気があったら、商品先物で損してません。
その欲ボケですけど、ダレでもハマル可能性がある。沢山の人がはまってるし、関係業者が上場企業にまで成長してるのです。私が関係した会社が上場してるとは云うてません。
さて、話の続きです。
「私が柴田さんの担当です。
しっかり助言して差し上げますから大丈夫です。損させません。」
年齢は20歳過ぎ程度。マエの東京ゴムと違って、物腰柔らかく、人当たりがヨイ好青年。
初対面のトキから話の内容以前に好感を抱いてました。云うたらナンやけど、そういうのを勧誘に使てるのです。
余りに熱心やし、根負けしてしもた。出来ることならこの青年の成績向上の手助けになってやりたいなあ。
佳い格好云うてるみたいやけど、ホンマにそんな軽い気持ちでした。儲ける、儲けないもありましたがそっちのホウが大きかった。ウソではナイのです。
モノは東京トウモロコシ。
成績向上の手助けも大したことは出来ません。そやのに、やってみよかいな。そんな気になって10枚を買うことにしました。これが最低と云うからです。
難しい仕組みは説明出来ませんが、簡単には株式と違い商品先物は、例えば1年後に幾らでトウモロコシを買うと云うような権利を得ることです。それで商品先物と称します。
枚数で云うのは現物ではナク、証拠金としての拠出のためですが、正直云うて、仕組みはイマだに分かりません。分からんとようやったなあ。
最終、一年後にはそのトウモロコシを買ってもヨイのですが、業者でもナイのやし何処へ置くのやな。途中で切り替えて、サキへサキへと延ばすのです。
結論からは先物業者からしてみたら、私みたいなド素人なんか簡単に手玉にされると云うことです。
それが分かるマエですから、遂に参加を了解。
現金の手渡しに移行しますけど、これは会社内ですることは問題ですから、京都駅八条口構内の喫茶店でやりました。
それも、最低10枚のハズが、最初の取引では相手会社としては私に信用がナイから20枚分にしてくれ。その証拠金の全てを取引に回すことはナイとのことやけど。
仕方がナイし、云われるがまま、その金額を準備して、指定の時間に行ってるのに相手は30分も遅れよったぞ。
それはそれとして、ナゼか相手が二人です。彼ともう一人がその上司。課長と称する年輩者でした。云うても私くらいやで。
実際には、その課長が私の担当になるらしい。彼がヤル云うてたのに話がチガウやないか。
チガウけど、そのヒトのホウが経験者やろし、安心感もありました。このカタも物腰柔らかで、丁寧な人でした。
沢山の説明を聞かされ、説明はしましたね。お聞きになりましたよね。契約します等々沢山の書類に署名、押印させられた。
終わった途端、課長なる人が会社に電話して、早速手を打った。
意味は、大切なお客様やし、20枚分を私に回すようにしときましたけど、そうなってるか確認したらしいです。
20枚分全てヤルとは云うてないけど、まあ佳いか。これがアカンのです。表現を変えたら、途中で私の気が変わっても、逃げられんようにされたワケです。
取引時間外やから、そんなこと出来るワケがナイのやけど、ナニも知りませんから、そのトキは素直に私のタメにワザワザ気を使てくれやはって、嬉しいとまで思いました。
そんなことで、見ることもなかった新聞の経済欄のトウモロコシの値段を見るのですが、値は動かず、数ヶ月が経ちました。
課長からは毎日のように夜になれば家に電話があったのです。当日の値動きの話等々。
当時は出張もナイし、有っても雑用ばっかり。モトモト業務自体が雑用になってましたけど。
そして、マスマス会社での立場は悪化し、遂に退職。
これは予測してましたけど。(詳しくは、リストラのハナシを参照下さい。)退職直後から値が動き出したのです。急騰に次ぐ急騰。先方の会社では朝九時からフリー・ダイヤルでシカゴ状況を流してました。
会社を辞めたら、ヒマもあるし、毎日電話で聞いてました。聞いた直後くらいに課長から電話があって、
「柴田さん。イマが勝負でっせ。儲かってます。スグに売って枚数を増やしましょう。」
簡単に説明したら、倍々ゲームです。
当時は14000円見当と記憶してますが、200円も値が上がれば、1.5倍の儲けになりますよとか云われ、それを売って、買い増ししたら、20枚が30枚になる。
更に、200円も上がって、売って、買い増ししたら、30枚が45枚になる。更に、上がったら、ドンドン増えて元金がン倍になることになる。
手数料は取られますし、その分は差し引かんとアキマセンけど、基本的にはその理屈です。
結果、値が動き出し、僅か一ヶ月程度で元金が数倍になってしもたから、私は有頂天。
これがイカンのですが、ダレでもそうなりますよ。
手にはしてないのに、計算上では大儲け。
(00/03/21)


5.東京トウモロコシ(3) 突き放され引き戻され

NHKテレビでやってました。
商品先物業者は、個人投資家を合法的に食い物にするものである。
非合法とは、かつての豊田商事、最近のオレンジ共済みたいに最初っからお金を騙し取ることを目的にしてるモノで、詐欺行為に当たる。裁判をしたら勝てるけど、相手が計画倒産したら戻って来ません。
そうではナク、合法的と云うのは法律的に一定のキマリがあって、顧客からお金を騙し取るのが目的ではナク、単に手数料を稼ぐことがネライです。
合法的なモノは精算したら戻って来る。商品先物はその合法的なモノに該当しますから、世間に名のアル会社もやってます。
原則、本人の意思が全てです。相手が勝手に取引すれば罰せられますから、顧客に黙っては取引しませんけど、ナカナカ巧妙やで。
特に私みたいに予備知識が乏しく、単純な人間は美味しい鴨やなあ。
状況思わしくなく、どおしたらヨイのか助言を求めて電話したら、相手が会議中で出て来ませんのです。
暫くしたら、電話があって、
「柴田さん。
エライことになってます。マタ大暴落です。幾らかでも追証を振り込んで下さい。」
「そやから、マエにどおするか確認したら、大丈夫て云うたでしょう。」
そんな問いには無回答。
「兎に角、どおするか決断して連絡して下さい。待ってます。」
こんな状態になったら、突き放した言葉が返って来て、見捨てられた気になってしまう。
もう、撤退するホウが佳いと判断して、そう云うたら、
「こんな状況になったら、処分出来るかどおか分かりませんよ。それでも宜しいですか。」
マタかいな。脅しかナンか分かりませんが、ホンマにそおやったら、エライことですから、幾らかでも追証を払うことにした。
そやけど、冷静に考えたら可笑しいことが分かって来ます。私が保有してる程度の枚数が処分出来んワケがナイ。
その少ない枚数を提示した途端、相手の口調が変わってしまうのです。
「そおですか。アリガトウございます。
ご都合の良い日を仰って戴ければ、市場動向の見通しなど、資料を持ってご説明にお伺い致しますので、宜しくお願いします。」
こんな具合に云われたら、単純やから、そおかいなと思て安心してしまう。
(00/03/25)


6.東京トウモロコシ(4) 云われ放題

そんなことで、業者の課長さんとは何回も合いました。
ワザワザ、大阪から亀岡まで来てくれるのです。私は駅までお迎えして、イツもの喫茶店で話をしたのです。話の内容はほぼオナジ。上昇傾向のトキは、
「柴田さん、イマは千載一遇のチャンスです。
ほれ、このとおり、業界新聞にも日本経済新聞にも記事が掲載されてます。
私も何十年とこの業界で生活してますが、これは何年に一回と云う好材料が揃ってます。
一財産が造れますよ。私がお手伝いをさせて戴きますから大丈夫です。」
場の悪いトキは、
「私のチカラが至らんがために、タイヘンなご迷惑をお掛けしまして申し訳ありません。
アイ、スミマセンです。」
その言葉があって、サッキの話になるのです。
「ではありますが、ここは千載一遇のチャンスです。
これが十倍、更にその十倍になってごらんなさいな。損も一気に取り戻せます。それどころか、資金も一億、十億となりますよ。億の数字が夢から現実になります。
私のお客さんのナカにもそんなカタが沢山居られます。皆さん大喜びです。
柴田さんにもそのお仲間に入って戴きたいのです。そおなったら、私にも少しばかりのご馳走などして下さいね。」
その課長さんと何回も話をしてたら、話のパターンもオナジことが分かってました。
最初はソオカ、ソオカと聞いてましたけど、ナン億、ナン十億の話をされても桁がチガウし、額面どおり鵜呑みにしてませんでした。
云うても、商品先物は儲けるために手を出してるのやから、ウソやと思われてもショウガナイけど、状況からして、程遠い話です。
それまでに頓挫してしまう確率のホウが可能性大であることも気が付き初めてました。
そおでなかったら、イマ頃どおなってることやら。首を吊ってるか、さもなければホーム・レスかなあ。
そのころの私の課題はいかにしてキズを浅く切り抜けるかに掛かってました。
掛かってはいたけど、そこが難しい。やってる限り、ちょっとでも儲けたいとの気持ちがあるからです。これがアカンのやけど。
そして、恐れてたことが遂にやって来ました。ストップ安です。
話はマエと一緒です。
「処分して欲しい。」
「ナニを云うてるのです。こんな状況では処分出来ません。それより、追証を幾らかでも振り込んで欲しい。」
マッタクの脅迫口調。私の結論は決まってますが、それが可能かどうかを確認したかったのです。課長さんとの話は一旦打ち切って、マタ電話することにしました。
イマまでの状況からして、このことも予測してましたから商品先物に関する110番。つまりは、相談所(日本商品先物取引協会)の連絡サキを調べたのです。
相談所に電話したら、相手は結構なお年寄りの声。しかも、逃げてばっかりの返事です。
イマ来客中やからアトで電話して欲しい。アトで電話しても、これから外出する。
こんな調子ですから、待ってられません。私としてはその日のウチに決着を付けてしまいたかった。
事と次第によったら、相談所にも取引業者にも訪問して、ハッキリさせたいと云うたら、途端に聞く気になってくれたのです。
「分かった、分かった。それでナンの相談やな。」
私の話はアル業者でこんなことになってる。処分出来ないと云うけどホンマですか。
「そんなことナイよ。処分したら佳いのやがな。イツでも出来るがな。
そんなこと、何処の業者が云うてるのやな。そこはイマまでナンにも問題はナカッタなあ。泣き寝入りしてる場合もあるかなあ。
どおしても、その担当者がアンタの云うことを利かんのやったら、私(相談所のヒト)の名前を出したら宜しいがな。知ってるハズや。
それでアカンかったら、ナンとか云う社長やけど、知り合いやから私が話をしてあげる。それでどおやろなあ。」
それはありがたいことですが、当面の追証はどおしたら佳いのやろ。
「処分するのやったら、出すことないがな。処分さして残った分を精算したらオシマイやで。
マイナスやったら差額を支払うのや。」
それはそおと、外出は佳いのですか。もおどおでも佳いわいな。
佳い加減な爺さんやけど、この話を聞いて自信を持ちました。要するに相手に断固指示することです。それに逆ろおたら相手の罪になる。
こっちにはシステムについての確たる自信がナイから、相手から好き放題にやられてしまうのです。
いわば、法律スレスレのことをやられてる。
(00/03/28)


7.東京トウモロコシ(5) 巧妙なる手口

電話がありました。出たら、いきなりです。
「ご主人様ですか。ナンとか会社のナンとかですが、ご存知デスカ。」
知るワケがナイ。そんな会社なんか聞いたことナイし、相手の名前も知りません。
「掛けマチガイと違いますか。」
「イエイエ、お宅様で結構です。」
「結構ですて、ソチラさんは何処に電話されてるツモリですか。」
「申し訳ありません。お時間を戴けないでしょうか。」
ナンやな。コッチがダレか分かってない。単に手当たり次第に電話をしてるのです。これは勧誘が下手な人。断る口実を与えてしもてます。
電話程度やからと適当にフンフン云うてたら喋りっぱなしでオワル気配もナイ。五月蠅いから、切ってしまうのや。
そんな電話ばっかりやったのが、先日私を認識しての電話があったのです。
「覚えてられますか。ナンとかのナンとかです。」
それは知ってました。この話で登場の私をトウモロコシに勧誘した人で、課長さんではありません。
「イツでしたかねえ。以前はトウモロコシにご参加戴きまして。
その後、如何ですか。ナニかやっておられますか。」
アホクサ。しっかり覚えてるけど知らんことにしてしもた。今更愚痴を云うてもハジマリません。
「悪いけど、覚えてないです。」
「そおですか。数回お会いして戴きました。その折りはアリガトウございました。
それで、時間をお取り戴ければありがたいのです。ご都合の良いトキにでもお伺いします。
イツがヨイですか。トウモロコシ以外にもご参加をお願いしたい有利なモノがあります。そのご説明をさせて戴きたいのです。」
何処の話も一緒です。ハイ、そおですかと相手をしてたらキリがナイ。
「イヤ、結構です。ナニもやってナイし、ヤル気もナイです。切りますよ。」
よっぽど、このホーム・ページの話でもシタロかと思たけど、ヤメタ。
メール攻撃でもされたらタマランし、パソコンとかインターネットの話でもされたら、ツイツイ乗ってしまいそお。
さて、マエの続きです。
相談所の人の話から意を強くして、撤退の決意で課長さんに指示したのです。
「処分しなさい。」
イマまでやったら、丁重、丁寧に依頼してたのですがそんなことではアカンと判断した。
「処分しなさい。」は命令口調です。
「分かりました。」
どっちみち脅迫まがいでナニか云うてくるのやろ。さあ来い。コッチも応戦したるゾ。
アトの台詞も準備して最後には喧嘩口論も覚悟。そやから云うて相談所までは引き合いに出す気はナカッタ。そんなことでは、我乍ら情けないとの判断です。
ところが、あまりにアッサリとした返事が返って来たから拍子抜け。
「分かりました。そお致します。」
ですが、柴田さん。イマ、全部処分するのは勿体ナイです。何枚か残しませんか。沢山とは申しません。一枚でも二枚でも構いませんよ。お願いします。」
処分さえしてくれるのなら、一枚や二枚残しても佳いやろ。
「そおですか。アリガトウございます。
助かりました。マタ資料などお持ちしますので、宜しくお願いします。」
イマなら分かってます。私も阿呆でした。きっちり相手の思う壺。
この段階なら全部処分しても、数枚分の証拠金は残せてた。出資金がン分の一に減りますが、お金は残ってたのや。
(00/03/29)


8.東京トウモロコシ(6) 百戦錬磨

マタもや、当時のNHKテレビ番組。
商品先物に手を出して、親に頼んで処分して貰た。
サラ金の借金で損失を精算して、一家離散。そんな話が有りました。
私は自分が自由に出来る範囲の資金でヤルつもりで居ました。間違おても、家族にまで迷惑を掛けてはイケマセン。そやけど、儲かったらドオするツモリやったのかなあ。
特にドオと云う目的もありませんでした。単に勧誘した青年の顔を立てるくらいの軽い気持ちやった。
これも、分担がアルのやで。勧誘担当と営業担当。この営業担当が課長さんでした。
商品先物のプロでもナンでもナイことは電話してるウチに分かったのです。取り次いだ女の子が朝の営業会議で打ち合わせしてます。こちらから電話させましょかやて。あくまでも、営業なんです。
仮に儲かってたとしたらドオしたやろ。その桁にもよるけど、実際には大損したのが現実でした。
原因は評価益を実現益と錯覚してたのです。しかも相手の口車にマンマと乗ってしもてた。
凝りもせんと課長さんに懇願され、拝み倒され、残した数枚もン分の一にまで減ってマタ口車に乗ってしもてた。
この段階では至って冷静になれてた。ストップ安になったら処分したらオシマイです。ナニを云われても一銭たりとも拠出する気ナシ。ビクツクこともナイ。
何日もズッと処分出来んかったらドオします。イマの証拠金では不足しますよ。
そんなこと云いよってミイな。録音したろか云うて、こっちから脅したる。そんなこと云うマエに、サッサと録音したら佳いのやけど、悔しいかな、そんな高級な電話ではないのです。イマやったら携帯電話で録音出来るらしいですが知りません。やり方を勉強しときます。
先方もこの枚数では引き留める甲斐もナイやろ。こっちも一家離散の危険もナイ。
新聞も見ませんでした。アッチからは電話一本もナシ。ナニかあったら連絡して来るやろ。そんな程度です。
そやのに、珍しく合いたいとのこと。
例によっていつもの喫茶店でお話を聞きました。
「柴田さん。アイスマンことです。
ではありますが、ここからです。頑張りましょう。」
この段階では、マッタク信用してませんでした。もお一人の私が騙されたらアカンでと耳打ちしてます。実際、「悪徳商法被害例と救済法」なる本も買おて読みました。
この本によると手数料収入を獲得するための反復売買が該当するのです。
値が上がったらその利益分で枚数を増やさせる。下がったら反対売買させて値の変動を食い止めましょうとか云うて、結局証拠金を上積みさせる。
枚数を増やしたら、値上がりしたトキ、評価金額も大きなるけど、反対になったらもの凄い損害になる。しかもこの場合の損害は大きいし、待ったナシやからと騙されて追証でマタ資金を拠出させられる。兎に角顧客から如何にして資金を捻出させるかです。
こっちも、せっかく儲かってるのに、今更パーになってしまうのも勿体ナイ。それで、ツイツイ術中にはまってしまうのです。
表現を変えたら、階段をドンドン登らさせられて、エライ高所に位置させら、怖いから降りよかと思たら、階段を外されてるみたいなモンです。降りたかったら証拠金を出せとなる。
こっちも落ちたら大変やし、ツイツイ積み増しをしてしまう。
喫茶店で会おたトキ、「悪徳商法」の本も見せて、ハッキリ云うてやった。
「こおしてお話をしてますと、マッタクの紳士やけど、電話では脅迫されてるみたいや。」
「申し訳ありません。
電話が多いと、どうしても言葉足らずになってしまうよおです。そのように受け取られたのでしたら、お謝り致します。」
こんな具合に平謝りされてしまうと、それ以上は云えんようになってしまうのです。
相手は私と似たよおな歳で、至って柔和で、憎めん顔をされてるのです。
これがアカンのや。折角ダマシの手口を読んで聞かせるため、肝心な場所はマーキングしてたのに、そんな悪いコトをするとは思えんよおになってしもて、キッチリ話を聞いてしもてた。
相手も百戦錬磨です。ダレがドオなろおとも、気にもしてないとは思てるけど、こんな調子ですから、どおしても、自分の道徳概念、常識基準で相手を推し量ってしまうのです。
こんなに謝ったはるのやから、悪気はナカッタのやろ。
それで、肝心の話はナンやろなあ。
(00/03/30)


9.東京トウモロコシ(7) 再度の勧誘

「それでです。ここからですよ、柴田さん。
数枚から、資産を一千万円までにした人がアルのです。
一千万円にもなったら億も夢ではナイですよねえ。
私が担当したお客様にそおなった人があります。羨ましいことですよねえ。」
確かに理論的には可能です。そやけど、もお騙されるモンかいな。
「トウモロコシは中国でも生産してます。
柴田さんも知っておられるでしょう。その中国に大洪水がありましたよねえ。
その影響で中国が輸出国から一転して輸入国になります。」
「先物の値段はアメリカのシカゴで決められます。そのアメリカも収穫は天候に左右されます。
それでです。エルニーニョが発生してるのです。天候不順でアメリカでも穀物の不作が見込まれます。これがナニを意味するか分かって戴けますよねえ。
トウモロコシの急騰ですよ。柴田さん。」
とか云うて、資料が一杯出て来ます。先物の業界新聞に日経新聞の切り抜きのコピー。
中国での大洪水は事実のことです。テレビ、新聞でも報道されてました。
但し、エルニーニョはどおかなあ。ゴムのトキにも聞いたことがアル。この課長さんも、去年云うてました。
数年に一回12月頃にペルー沖の海水の温度が二三度高おなって集中豪雨とか、方々で天候異変になるらしい。
この現象はあくまでも数年に一回のこと。この話を課長さんとしたのは夏場のこと。中国での洪水は台風の影響でした。
「ホンマですか。去年も課長さんからエルニーニョのことを聞いたけど、発生するのは12月と云うたはりました。」
「去年はそこまで温度が上がらんかったのです。
それと、エルニーニョは12月頃がピークと云うだけで、今頃から次第にその兆候が現れてるのですよ。」
そらソオかも知れません。イキナリ海水の温度が二三度も急上昇して、パタリと元に戻るハズがナイ。
理屈はソやけど、課長さんの話を額面どおりには信用してナイのです。最初のトキはナンの疑いも抱きませんでしたけど。
そやから云うて、中国の洪水までが相場に影響するとは思てませんでした。ここらが素人の知識のナサでソレ屋はんの強い処です。
で、話の主題はそんな強力な材料がアルから持ち高を増やしたらどおですか。そのタメの証拠金を積み増ししたらドオですか。悪いことは申しません。とのことです。
「悪いですけど、もお一銭たりとも出す気はナイのです。」
「そしたら、こおしましようか。
値が上がったら、その値上がり分だけでも応じて戴けますか。」
「そのトキは、そのトキで考えます。」
こんな話で終わってしもた。
私は考えるとは答えたけど、頭のナカでは撤退のことしか考えてナイのです。そやけど、下手に値上りしてしもたら、どおしたモンやろ。
マタ、売って、買って、枚数が増えて、調子に乗ってたら、ドカンと追証の請求。
かと云うて、当たり前やけど、私も欲はアル。
せめて、元金くらいは取り戻したい。
(00/04/03)


10.東京トウモロコシ(8) 最終場面

意に反し、トウモロコシは下落。
よって、課長さんから追証発生との連絡受理。私はアッサリしたものです。
「そおですか。処分します。」
「そんなバカな。
マエに説明したがな。これだけの材料があってそれはナイで。
ナンのタメに資料を渡して説明したのや。ホカのお客さんはここをチャンスに買い増しをしてるのや。お話にならん。」
キッチリ、エライ語気で云われてしもた。
最初はビックリもしたけど、二回三回となったらどおと云うこともナイです。
「もお一回、云います。処分です。」
そしたら、受話器をガチャンとやりよった。私と違いますで。電話をして来た課長さんのホウが切ったのです。云うときますが私はそんな失礼千万なことはしたことナイ。
電話でナニかの勧誘されて、マトモに応対してたら切りがナイときでも、
「スミマセン。切りますよ。」
立て板に水。途切れることのナイ、この手の勧誘の途中でも、相手が聞いておろうが聞いておるまいが、必ず断ってから切ることにしてます。
このガチャンのトキ、課長さんはナンの言葉もナシ。
余談ですが、私は営業経験はありませんが、前の会社では営業関係者には多数接してたのです。社内の営業、関係会社の営業担当者等々。
訓練された営業担当者は顧客との接し方は勿論のこと、それなりに取り扱ってる商品の専門知識を勉強してます。
ここまでは当然のことで、感心するのは電話のマナー。用件が終わっても、自分から切ることはナイ。先方が受話器を降ろしたのを確認してから、ソッと切ってます。
例えば、話が終わってから、用件を思い出しても、待機してますから対応出来るの。そおでナイのはこっちが切るマエに切ってしもてる。
こんな具合にお互いにやってたら電話代が勿体ない。話が終わったら、
「それでは、失礼します。」
そお云うて、話が完了したことを確認したウエで先方が電話を切るのを待つのです。表現を変えたら、必ず相手よりアトで電話を切ってます。
これが出来る営業担当者はイズレも成績優秀。社内ではそこまで気を使うこともナイのですが、常日頃から心がけ、習慣にしてナイと出来ません。
それはソレとして、ここで曖昧にしてしもたらアカンのです。再度、こっちから電話して意志が伝わってるかを確認しました。
そやけど、課長さんはホカの電話で応対中らしい。ホカの人を相手にオナジことを云うてるのやろ。
「このまま、待ってます。」
一時間待たされよおが二時間になろうが、待つツモリやったのに、アッサリ出て来ました。ナニもナカッタのやろか。
「分かってます。」
「ナニが分かってますか。復唱して欲しいです。」
「売り切りや。」
どっちが、顧客か営業か反対みたいな感じです。
「完了次第、連絡して欲しいです。」
「終わってる。」
切り口上な喋り方されたけど、これで一安心。ヘンな話ですが、名実共に商品先物から撤退出来てホッとした。
暫くして、課長さんから電話があって、精算のお金を持参するので時間を欲しいとのこと。先方も諦めてしもたのか丁寧な口調です。
最後の面談はイツもの喫茶店。
「アイ、スマンコトデス。
私のチカラが及びませんでした。
何年もやってますと、ナン人かのお客様とはこんな場面に出喰わすことになります。」
こんな場面とは、精算金額がガタ減りしてしもたお客のことやろ。
話はそれだけやった。マタ、ナニか勧誘でもされるのかと心配してたけど、ナンにもアリマセンでした。
アンマリ、アッサリし過ぎて拍子抜け。
むしろ、精算金を手渡してしもたら、用事もナイ。早よ退散したい雰囲気やった。ナンでて、それだけ云うたら、無言になって、腕時計ばっかり見てるのです。
私に戻ったお金は数万円。トウモロコシ一枚分の証拠金。
この先物業者はナンとかフューチャーと申しますが、課長さんからは以降連絡ナシ。
(00/04/04)


NO.2 株式取引失敗談

1.証券会社初訪問

巷には財テクに関係する本が沢山出回るよおになりました。
昨年(99年)、一昨年(98年)とは大違い。これは以前にもあったことです。
バブル、バブルと騒いでた頃。つまり十数年マエ。
この頃ナニがあったかと云えば、猫も杓子も株をやり出して、証券会社はビルを新築した。
何処の証券会社かと云えば、野村証券の京都支社です。私もその数年マエからヤリ出して、証券会社に行きました。新築マエの仮事務所にです。当時は土曜日も半ドンで営業してたからで、担当者はこの当時で三代目。
初代は口座を開設したら、ワザワザ自宅まで来てくれたのです。
そんなこと、お客さんやから当たり前。そお云われたらそれまでやけど、私にしてみたらそんな野村証券なる大会社の主任さんがワザワザ亀岡くんだりまで来てくれやるのかと、そんな感じです。正直云うて私の預けたお金は知れてます。
そもそも、フラッと店頭にお邪魔して、受付の女性を捕まえまして、
「中期国債ファンドをしたいのけど、どおするの。」
カウンターまで連れてくれまして、そこの女性に云うてくれ。
カウンターの女性に、オナジことを云うたら、判子、身分証明(運転免許)、そして、書類を沢山書かされた。口座を開設する手続きの書類です。
フと右隣の席に座ってた、金ぴか、ハデハデのマダムのホウを見たら、何処かのブランドのハンド・バッグをヤワラ開け、そこから真っさらのお札の束。これを何個か取り出してるやないですか。
そして、コチラにチラリと眼を向けて、カウンターの手前に差し出したのです。そこは私にでも、見える位置。そしたらナン束どころか十数束。暗算したら一千万以上やで。アホクサ。
ついでに、左隣のそこらの爺さんです。小物入れから、こっちは株券。ヤワラ取り出して、やっぱりカウンターの手前に出してます。イヤでも私に見えるがな。
株券をどおするのやろと思てたら、売るのやて。そして、そこらジュウに聞こえるホドの大きな声出して、
「イマ、幾らやな。」
「ハイ、2000円です。」
「2000円かいな。そしたら、それで六万株。全部売ってくれ。」
「ハイ、分かりました。六万株、ですね。」
ナニナニ、暗算したら、1億2千万円やで。よおそんな、沢山の株券を持ち歩いてること。それにしても、そこらの爺さん風が億万長者。多少は脚色しましたけど。
云うたらナンやけど、金ぴかマダムと爺さんの話。コレは冗談ではナイのです。ホンマのことで、これは数年マエの話です。
銀行で待ち伏せして、お年寄りから現金を強奪して、結果数千円。そんなアホな奴が居てましたが、やることが小さい小さい。
イヤ、この話はここまでです。
証券会社で、お年寄りにナニかあったら私が疑われてしまうがな。私は気も小さい小さい。
それはそれとして、私も幾らか入金センとアキマセン。
オナジク、ヤワラ、ポケットからブランド物の財布をトリ出して、幾らにしよかいなあ。
云うとくけど、これはホンマやで。ダンヒルやで。そやけど、中味のホウが少ないのです。万円札がン枚しか入れてナイ。
隣のマダムと爺さんには見えんよお、無言でコソッとカウンターの奥に差し出しました。
そやのに、カウンター嬢は私の顔面に眼を据えて、大きな声で云いやがる。
「一万円ですね。
それで、口座保管料金はどおされますか。
中期国債ファンドの最低入金額は一万円からですので、ここから保管料を差し引きますと入金出来ませんが。」
それやったら、最初にソレを云うてくれ。両隣の大金持ちに聞こえてしまうやないですか。
それで、保管料は幾らやな。アト一万円なら、財布に持ってるわい。
痩せても枯れても、ホンマモンのダンヒルやで。
そのナカで一番安かったけど。
(00/05/21)


2.証券会社初訪問(2)

ナンで証券会社の主任さんが亀岡くんだりまで足を運んでくれたのか。
タブン、口座開設したアトでそれなりのお金を振り込んだからです。
云うてもン十万円。ン百万円とはチガイます。そやから、ビックリしたのですが、私は会社に出勤ですから居てなんだ。
銀行預金して、挨拶なんかしてくれたことはナイですよ。兎に角、私の資金程度では相手にもサレンやろ。そんなことは認識してるし、知り合いが居てるワケでもナシ。
イキナリ、エライさんを出せ。そんな恐れ多いこと、ヤーサンでもナイのやし。
アトで分かったことは、私の担当者になった人ですが、入社数年で主任さん。主任さんにも色々あるらしく、店頭主任さん。ハッキリ云えば、顧客相手の業務ですから部下が無くても、肩書きがアルのです。私みたいに錯覚するのが多いやろ。
役職者を担当にセヨと要求するお客さんも居るらしいです。そんなことで、要求してもオナジと思うけど。
まずはこの主任さんが初代で、二代目は名前しか知りません。電話の一本も掛けて戴いたことがナイのです。掛かったトキには担当変更で、三代目が課長代理さん。
エライさんになったのかなと思てたら、四代五代目が主任さんで、六代目が定年間際の課長さんでした。
現在の担当は年齢三十数歳のお若い課長さん。どちらにしても、皆さん肩書きがある。
どっちみち、一二年で転勤してしまうから、ナニか文句あっても、ハイ、サヨウナラ。担当が変わってますし、云いよおがナイ。此れも証券会社の戦略やろなあ。
二代目以外はソレゾレに個性があって思い出もアル。
初代、五代目は優秀でした。三代、六代目の課長代理と課長は無茶苦茶で、イマの課長さんは頼りナイ。
肩書きのウエのホウがオカシイのです。この辺りの恨み辛みの話は気が向けばやりましょう。
私なんか、大金持ちみたいに高額の現金を持ち歩くなど、そんな怖いことやりません。私にとってのン十万円が余所さんにとって高額かどおかはソレゾレの価値判断。
それでも、持ち歩く現金は財布に入る程度にしております。百万にでもなったら財布も限度。
ダンヒルの財布でもブクブクになる。千万単位になら、財布はムリで、鞄になる。
余計なお世話ですが、余計ツイデに居てたのです。
韓国に出張したトキですが、ソバに居た見知らぬ日本人がホテル代の精算で財布を出しよった。それこそ、財布がブクブクで。
おもむろにお金を出して数えるのです。ブクブクの中味は万円札ばかりやで。其れを見えるよおにしてるのや。何処かの金満婆さん、爺さんとオナジです。
一緒に出張してた奴が、商売人やで。ソオかナルホド、ナニかの買い付けやろ。勝手に納得したりして。
お金持ちはソンなモンですが、ホンマのお金持ちはそんなことしませんのです。ナイ、ナイと云うても、シッカリ持ったはる。お金持ちの話はヤンペして、一般庶民の話にします。
私等がナイと云えばホンマにナイ。財布の中味も見られぬヨオ、若い時分なら気にナランかったのですが、アル程度の年齢になったら気になり出した。ナイと云うて、この歳でホンマに無かったら、イマまでナニしてたとなりますがな。
ナイものは仕方がナイのですが、貧乏人の話もヤンペして、財テクの話に戻ります。
そやけど、まだ云いたい。私の財布に百万円、瞬間にでも入ったことはナイ。セイゼイ、十万円が限度ですが、最近はそれも珍しい。
カードが出現しまして、怪しくないました。現金ではナイし、暗証番号が必要ではありますが、金融機関に直結してますからオナジことです。それを一緒クタにしたら、財布にもン十万がアルことになる。オドロ、オドロシイことですが、それでも百万円には程遠いし、ここらで辞めときます。阿呆くさい。
さて、フラッと証券会社に入ったのですが、私でも予備調査はしてます。野村証券京都支店に電話して株を買うにはどおしたら佳いのか。
現金でも宜しいが、マズは中期国債ファンドに入金してくれ。(注;当時の話です。)
これは、銀行預金より利便性は悪いけど、一ヶ月以上経過すれば、イツでも引き出せ、利息も高いです。
但し、最低入金額は一万円以上、一円単位。つまり、9999円の入金はダメですが、10000円でも10001円でも結構。引き出しは一円から可能です。
別段、それで株を買わんならんこともナイ。そのまま預けておいてもヨイのです。印鑑、免許証等、お客様の身分を証明出来るものをお持ちくださいね。
このファンドにご入金して戴きますればご来店でも電話一本でも、当店担当者に指示して戴きまして、株式はファンドからの出金でご購入が可能で御座います。
ご購入の株券、或いはお手持ちの株券がありますれば、当方にて保護預かりも致します。
ご希望ならそのよおにご要請して戴きますれば、お預かりの株券はお引き渡し致します。
お手続き等、お客様のご都合の佳いトキに、何卒、宜しく御願い申し上げます。
こんな丁寧ではありませんでしたが、そお聞いた。勿論、何処かの金ぴかマダムみたいに現金を持参して買うのも結構です。
マダムと云えば、バブルが破裂した直後のこと、何処かの料亭の女将で尾上縫の話がありました。
証券会社へ持参どころか彼方此方の証券マンが日参したらしい。取り引き金額の桁がチガウからですが、十か百億円。イヤ、千億円単位の話と記憶してます。
詐欺か横領で捕まったハズやけど、アレからどおなったのか。さあ、殺せと云うたのか。殺人ではナイし、死刑になんかなるもんか。とは云え個人でそれだけのお金を動かせただけでも大物です。別世界の額ですから女将がナニをどおしたしかまでは覚えてナイ。
さて、口座開設の話です。
イマは預金口座はMRFになってますが、マネー・リザーブ・ファンド。意味は分かりません。
証券会社の預金口座みたいなもんで利息はこっちのホウがウエやけど、中期国債ファンドよりは下。
モトモト、低金利のご時世ですからビックリする程の率でもナイ。但し、利便性は銀行が上でして、公共料金等の自動引き落としはやれません。
ATMからの引き出しも出来る出来ると宣伝してますが、余所の金融機関なら手数料を取られてしまう。銀行預金もオナジですが、店舗数がチガウがな。
京都の野村証券は京都府下に京都支店一つだけ。一々行ってられますかいな。その変わり、銀行への振り込みなら電話一本。イマならインターネットで出来ますが、手数料は取るのです。
金融業界ほど用語が意味不明な世界はナイ。陳腐化したのですが、かの有名な金融ビッグ・バン。
ナニが宇宙の大爆発かと思たら、銀行と零細企業を取りつぶすための隠語でした。
イマはグローバル・スタンダード。簡単に日本語訳が出来まして、世界標準です。
これのホウが分かりやすいのに、ナンでカタカナにするのやろ。其れで、ナニが世界標準か。そこが分からんから、パソコンの世界と一緒です。
話が逸れますが、テレビでも宣伝のノムラの日本株戦略ファンド。
これを聞いて、意味が分かれば占い師になれる。日本株式に投資のファンドと云うだけなら、私にでも分かります。
要するに証券会社の体質とはそんなもの。ドッチミチ、ド素人には理解がムリですから、正確に分かってくれることもナイ。
分かった気になって、投資してくれるだけでヨイのです。手数料はシッカリ戴きます。
ここで、云わさせて欲しい。
いかにもご立派な名称の日本株戦略ファンドで、ノムラの自慢作のハズが下がりっぱなしで浮上セズ。
高給取りのファンド・マネージャーさんが大勢で仕事してますから、しっかりやってクレ。
ナニを隠そお私も申し込んだのですが、大損してるのです。売ったらの話ですが。
口座開設当時、私は株は怖いものと思てました。多少は興味おありましたから開設したのです。世間の噂では儲かるらしいとか。
ナニをやるにも、マズはその中期国債ファンドにお金を預けて口座を持たねば相手にされませんので、そのよおにしただけです。
そしたら、中期国債ファンドも債券で、これを保管するにも管理料が居るのやて。
銀行で預金通帳を作るのはタダやろな。銀行にお金を預けても通帳は自分のもので自分で保管ですし、保管料は要りません。
そんな気で証券会社を訪問しただけですのに、保管料とは無茶なことを云う。
(00/05/28)


3.魑魅魍魎の世界

光通信なる会社が、96年3月に店頭市場に公開。
株価は一万円から二万円で推移してたのです。
携帯電話の販売代理店ですから、普及率が発表されるたびに市場関係者から囃され、世間からの注目も向上したのですが、如何せん株価が高過ぎる。
その当時、千株単位で買うには一千万から二千万円もの資金を要することにナル。
それが百株単位になって、97年末には底値の2550円になったのです。
単純には、25.5万円で購入出来ることになるのですが、神様やあるまいにそんな旨いこと買えるワケがナイ。
当時は橋本政権下のことでして、株価は底なし沼で、ジワジワ下がるだけ。株価はここが底ではないかと思てましたけど、安いと、余計に手は出せません。
もっと下がってしもて、ツイには消滅するのではナイか。光通信に限ったことではありません。どの会社も同じです。
彼の有名なヤフーにしても、その当時店頭公開して二百万円(一株単位)で購入出来たし、ソフト・バンクも最安値の2000円(百株単位)を切ったこともアル。
暫くしたら、市場関係者が光通信は情報通信の雄とか云い出した。株価を見たらイツの間にやら、一万円を突破してるではないですか。マダ下がってるのが多いのにどおしたことか。
アレよアレよと云う間にも今年2月に24.1万円になったのです。底値からすれば、百倍近い株価です。それでもまだ、30万円、イヤ50万円目標と囃す株式評論家が居たのです。
それでも、24万円の株価となると百株でも2400万円。ハイ、そおですかとはなりません。
ソフト・バンクも、20万円になろおかと云う勢いで、まだまだ、30万円、イヤ50万円。その価格が保証されてるかの如くに仰るのです。
殆どの評論家が云うてたと記憶してます。ハイテク銘柄の指標でアル。日経225にも採用されたから日本を代表する企業でアル。
ソフト・バンクの孫正義社長は米国ナスダックを日本に導入し、ヤフーの大株主でもある。ナスダック・ジャパンなる市場を日本でも開設するとのことで、関連した本が何冊も出版された。
竹村健一も孫社長は日本のインターネット業界の代表でアルと評価したウエで、関連の会社を牛耳って、インターネット財閥を形成するのでアルと宣伝するのです。もしかしたらナンボかでも貰てるのやろと勘ぐったり。
このこと自体はウソでもナイし、この先どおなるかは神のみぞ知る話です。
本が出版され、テレビでの露出度が大きくなって、特番までが放映されるとソコが頂点が世の常で、ソフト・バンクの株価も同様に急降下。
ヤフーにしても、一億円以上になったのですが、イマでも二千万円以上で安くはナイのではありますが、一体ダレが買うのやろ。
一般投資家からは、遙かに遠い存在になり、見てるだけの銘柄と称されるに至ったのです。
一部のお金持ちと他人様のお金で運用する投資信託のマネー・ゲーム用銘柄と化した。
そこまで、勝手につり上げときながら、米国の金利上昇で日本にもその余波が到来。ガタガタになって来たら、関係者一同掌を返してしもた。
今度は何処まで下がるのか。会社は存続出来るのか。光通信も携帯電話の販売代理店ですが、NTTドコモは取り扱ってナイのやで。インチキ商法で関連会社も倒産して、粉飾決算までしたのやで。
つり上げ、扇動したことは一言の弁明もナシ。
上がってる時には株式市場では夢を買うのでアル。ヤフーを二百万円で買えば、億万長者になってるのやで。
光通信でも底からなら百倍。まだまだ上がる。上がる理屈はナニもナイ。単純に上がるから買う。買うから上がる。ツイには世界的企業になって、三菱銀行より格上企業でアル。
ソフトバンクにしても、ソニー、松下より総資産が上でアル。
情報通信革命とは、実業より知恵の価値の時代でアル。米国を見てみなさい。古い体質の企業は淘汰され、インターネット関係のベンチャー企業で億万長者続出。
米国ではこれが十年継続した。日本では、イマ出発点に立ったばっかり。間違いなくこれからの十年間は上昇する。
ウソと思うなら、本屋さんで昨年出版で売れ残りの本の目次を見たらヨイ。間抜けで無責任、無節操なトップ・ファンド・マネージャーと株式評論家の本です。市場に巣喰う魑魅魍魎がその証拠を残してます。
本が出版された頃に便乗したら大損してる。そやけど、二百万円がナン億になったのは事実です。
そこまで、持ってタラの話で、そのマエに買う勇気が有ったらのこと。そのウエで、話題になったトキ、売ってしまう勇気があったらのこと。
ナンでもカでも米国からの輸入とは、ダレが云うたのか。IT革命の中味はナン十年もマエから日本にも基礎があるのです。イキナリ、米国と勝負出来るもんですか。
パソコンは米国が一番。但し、普及率についてのこと。
携帯電話とパソコン部品の製造技術は日本が世界一であることを政治家と官僚と株式評論家は知ってるのか。
部品の製造技術を悔しかったら真似してみなさい。
(00/08/06)


4.投資顧問業者(1) 綴じ込み葉書

ナンとか投資顧問業者なるものが沢山有る。
彼の有名なベスト・セラー季刊誌、会社情報、四季報にも宣伝広告を掲載してます。
ソレ以外でも投資関連の有名雑誌には業者が無料銘柄相談と銘打って、簡単便利なよおに綴じ込み葉書を挿入してる。
十数年マエのことやけど、アル雑誌を買えば葉書があったのや。
雑誌そのものはそれ以上の昔から書店に並んでるし、イマでも出版されてる雑誌です。雑誌の出版も四季報の東洋経済新報社。それだけで、ダレでも信用してしまうがな。
特にナンと云う目的もナカッタのです。単に無料診断とはお金が不要。それなら、どんなもんかと軽い気持ちで葉書を出したのです。
そのトキはナンの銘柄を持ってたのか忘れたけど、トリアエズ、イマみたいに株式市場が低迷してた頃です。値上がりどころか気持ちのヨイほど、ズルズルと下がってばっかり。
そお云う意味では、日本の株式市場はイツの時代でも低迷してる。少しでも高くなれば、阿呆なマスコミがバブルと見なして、針でツツクのです。あたかも諸悪の根元みたいになあ。お陰様で、現在の長期不況が存在してる。
ホカにも大きな原因はあって、日本の政治家は相も変わらず、口ばっかり達者のガラクタばかりで、考えてることは我が身の保身と漁夫の利だけ。イツの時代も政治が日本の経済の足を引っ張ってます。
イマ現在は非拘束選挙がドオとかコオとかで、国会が空転。選挙方法のことですから、政治家にとっては一大事ですが、私にしてみたら、ドッチでもヨイ話です。
一部では、女優の吉永小百合さん、巨人の長島監督。果ては、相撲を引退した若の花にまで立候補してくれんかと頼んでると取り沙汰されて、政治家とはお気楽な面々です。
タレント議員としての第一号はNHKの人気番組、二十の扉で出演の藤原アキさんではと記憶してる。この人はオペラ歌手の藤原義江夫人です。
参議院選挙のタレント候補と騒がれ、軽くトップ当選。その後、何人ものNHKのアナウンサーが登場したけど、所詮は人寄せパンダ。
それを云い出せば、イマでは沢山居てまして、それに一票を投じるホウも問題ですが、かと云うて、対抗馬の政治家がどれ程の価値が有るのかです。
それなら、ドレでも一緒と云うことになる。結局はよお分からんし、親戚、友人でも出てたら悩むことはナイけれど、そおでもナイから、多少なりとも名前を知ってるホウにするだけのこと。
イヤ、其れで、忘れもしません。その綴じ込み葉書のナカに東洋興産なる投資顧問業者のがあったから、出したのや。ベツに東洋興産でナクてもヨイけど、あったから出しただけ。
どんな診断をしてくれるのか。罫線チャートにその会社の将来性を分析して、報告されるハズですから、興味津々待ってたのに銘柄診断どころか案内書が届いた。
会員になりませんか。
内容を簡単に説明すれば、当社は財務局に登録番号を戴いた信用と実績を誇る投資顧問会社でアル。
世間には株式の購入を代行してやるとお金を徴収したり株券を預るモノがある。これは会社が倒産した場合、マチガイが発生し易いぞ。当社は現金、株券を一切取り扱わんから安心せよ。
ところで、日本の株式市場にはナン千もの銘柄があって、そこからナニを選択するかは至難の技である。貴方もさぞかし困ってることと推察する。
当社は、トアル政治家と密接なる関係がありまして、安全確実、短期で値幅が取れる裏情報が常時有るのです。其れを会報で伝えてあげるから年会費五万円を出せ。
所謂、政治銘柄を教えてやると云うことで、会費五万円は痛いけど、安全確実で短期で儲かるなら、佳いわなあ。
私も若っかたから、欲に眼が眩み、涎を垂らし、早速申し込みしてしもた。
(00/10/22)


5.投資顧問業者(2) 会費の値上げ

兎に角、私も完全に眼が眩んでた。
そんな旨い話が有ったら、仲間ウチでやってしまうやろ。
ナンの関係もナイ他人さんにまで分け前を与えるよおなご親切な面々が居てるとは。
と、そこまでの知識も経験もナイから考えてナイ。単純にそんな情報の入る人があるのかと、すっかり信じ込んで。
しかも、その手の情報誌には裏情報とか政治銘柄、事情通の秘密情報として誠しやかに書いてアル。コレマタ、イマでも書いてアル。
当時も、天下の一流新聞、週刊誌にもどの銘柄に仕手筋が介入してナンたらカンたら。
その仕手が実際にはどんなモンか知りませんけど、証券会社、機関投資家、生命保険等、これも仕手と云う人もアルし、ヤーサンみたいな連中が会社乗っ取りを企んで合法的にやるのもアルとか。或いは、大金持ちが趣味としてやってるとか。
有力政治家への未公開株のバラマキ。しかも公開直前でお金を融資してまでと問題になった、所謂、リクルート事件の張本人、江副浩正もリクルートの社長は退任したけれど、大株主でしたから、株式公開で資産がン百億にもなって、仕手同様のことをしてるとか。それだけの資金が有ったら、ナンでも出来ますねえ。
このリクルート事件の裏事情については大したことは知りません。余所の会社の未公開株など一般庶民には無縁のモノやったのに有力政治家には簡単にバラ蒔かれると話題になった。
国会で参考人招致があって、値上がり確実な未公開株などと間抜けなことを云うてる政治家も居た。
未公開株が全て値上がり確実ではナイ。市場に公開して初めて市場で売買出来るのであって、ソレまでに処分する場合、会社に引き取ってもらうしかないのです。或いは、個人的な売買で、上場もイツになるのか。二年後か三年後か十年後か。ハタマタ、上場することもナク、倒産すればタダの紙くず。
リクルート事件の場合、リクルートの子会社のリクルート・コスモスの株を上場することが決まった段階で、公開したときにつくであろお予想価格より遙かに安い金額で譲渡したのが問題です。その区別さえついてナイ政治家が居るのには愕いた。
竹村健一が中心となり、お医者さん、弁護士等々資産家をまとめ、その真似事をして、竹村銘柄と称されてるとか。その手の雑誌の記事ですから真偽の程は分かりませんし、私なんか株式市場のナンたるかも分かってナイ。
世間知らずの単なる会社員で一介の技術者。ソノウエ、至って単純素朴。そやのに、株を買えば株主様になれる。株主様になれば配当金も戴けるし、株主総会にも呼んで戴ける。実際には行くのが邪魔くさいから出席したことはナイ。
それと、アル程度の冒険もセンとお金も貯まらんで。そんな気もあった。
ソレはイマでも正しいと思てますが、手段が不味かった。株式の情報誌に書いてあることをナンの疑いもナク、信用してた。その情報誌でさえ、毎週のよおにン十銘柄も推奨してる。それを一々分析して選択することなんか出来ますかいな。
ソラ、毎週何十銘柄も推奨してたら、そのウチ幾つかは当たるやろ。それだけを強調して、外れた話は知らん顔。
私が所属してたのは電気業界で、その分野なら会社名も知ってることがアル。造船、商業、サービス等々無関係な分野の会社名はホンの一部しか聞いたこともナイ。そんな事情もあって、ご丁寧にも綴じ込み葉書を出して、専門家のご意見を伺いたいと思たのです。
明記されてる財務局とは大蔵省の管轄で、余り詳しくは知りませんが、一応お国の機関が投資顧問業者として営業することを認可してることを意味してる。
登録が実際にされてたかどおかまでは調べませんでしたが、財務局のお墨付きがアルのなら、インチキではナイのやろ程度。
勿論、アトで知ったことですが、お金、株券を預かりません。との唱い文句のことやけど、あたかも清廉潔白、裏も表もナイ、マジメな業者でアルと主張してるよおに受け取れますが、正確には、証券会社でもナイから預かる資格がナイ。
そやのに、表現を預からナイとすることで、マチガイが発生するよおなことはしておりませんと、経験の浅い個人投資家を勘違いさせてるのです。
会費を振り込んだら会員番号が連絡されまして、電話するトキはその番号を云うてくれ。
沢山の会員ですから会員番号で管理してます。
投資顧問会社からは情報誌が届くハズやのに音沙汰ナシ。よって、電話をしたのです。どおなってるのか教えてクレ。そしたら、こんな返事でした。
会報は月一回と随時。しかも、情報を整理して文書にして、コピーして、郵送してたら日数が掛かって遅れてしまう。
教えてあげたい銘柄は足が速いから、電話で伝えたホウが安全確実。その電話会員になるには、アト、ナンボ出してクレ。
幾らとは申しませんけど、桁のチガウ金額やから、そんなお金がアルもんか。
イヤイヤ、あの株を売ったら、それくらいの会費は払えるよ。
元手なんかン十万円でも、軽くソレ以上の儲けがアルから戻ります。
そこで、気がつけばよいのに、単純やから、ハイ、そおですか。
(00/10/23)


6.投資顧問業者(3) 政治銘柄のハナシ

こお云う話は難しい。
ナンで騙されたのか。イマ振り返ってみても、自分なりには用心したツモリやったのに、そおはイカンかったなあ。
情報を買うのですから、ナニかの物品を購入したワケでもナイ。モノがナイだけに騙されたと云う実感も乏しい。
古い話で記憶も曖昧。カッカしてしもて、見境もナク、ノメリ込んでしもて致命傷を負わんかっただけマシと考えてます。
株の話は博打みたいなことと蔑むヒトもアル。斯く云う私もそおやった。専攻そのものが理系ですから、政治、経済なんかどおでもヨカッタ。そんなモン勝手にやってくれ。
私の直面してる当面の課題さえ解決したら幸せです。その手の情報にも無関心。株式欄も見たことがナイ。
かと云うて、お金は幾らあっても邪魔にはナラン。会社にも株式の好きな連中が居てまして、話題にはなってたのです。私もイツの間にやらその好きな一員にされてました。
私としては、給料以外でお金を稼ぐには多少の冒険もせにゃならぬと考えてました。株式なら、手間暇取られることもナイと軽い気持ちです。
買うトキは証券会社の担当者の薦めるがママ。こんな材料が有って、あんなことがあって、値上がりしますよ。一口どおですか。
ところが、担当者の云うとおりの絵に描いたみたいにはイカンのです。反対にナンでこんなカスのばっかり薦めるのか。余所のは順調に値が上がってるのに損ばっかりさせられて。
書店には山程の情報誌が出版されてます。そのナカに甘いワナがアルとはド素人の私には分かりません。出版会社の名前だけで信用してしまう。
中途半端な入れ知恵を仕込んでしもて、その手の情報誌には仕手筋がとか、有力政治家が絡むナンとかの銘柄がと書いてアル。
それで、株価がナン倍、何十倍。そんな銘柄をドオして探すのか。出版されて記事になってることは結果だけ。
そんなことで、上がるマエの情報を欲しいと思たのです。ソレが投資顧問会社のハズやった。
私が株をやるマエのことですが、昭和五十七年中江滋樹なる人物が金融詐欺師として捕まった。
世に云う、「投資ジャーナル事件」で株式の購入のための資金を預ければ、その十倍を融資してくれる。手持ちの株券を安く分けてあげると云われ、沢山の個人投資家が騙されまして、総額百八十億円もの被害に合おた。
このトキ、問題になったのが証券法違反。証券会社でもナイ、単なる業者が株式売買の手数料を取ることは出来ないと云うことで、その程度の知識はありました。勿論、世間を大いに騒がせたから、世間に疎い私でも知ってます。
そんなことで、株券を預けなさい。お金を融資してあげる。手持ちの株券を安くで譲るとの話が出たら怪しいと判断するけど、それを云われんかったら、大丈夫な業者と思うやないか。
モトモト、借金までして株をやる気も無いし、余所さんから安い株券を分けてあげると云われても、そこまでの信用は出来ません。ソレが高いのか安いのかの知識もナイ。
そのワリに、東洋興産なる投資顧問会社の口車に乗せられたのですが、騙されるトキはそんなモンです。
その年は仕事が忙しかったのもアルけど、東洋興産とのヤリトリで記憶に残ってることは少ないのです。
残ってるのは、桁のチガウ会費を要求されたこと。その会費を払えば、「みのり会」と称する最優遇の会員にしてあげると云われたこと。
「みのり会」とはその名のとおり、実りがアルと云うことで、確度の高い政治銘柄を紹介する意味合いも有って、会費五万円の一般会員にはそれなりの情報しか与えナイと云うことや。
実際、そんな具合に説得され、ナンの疑いもセズ。とはウソになりますが、入会してしもた。
ところが、ナンの情報も得らえませんのです。電話でドオなってるのかと確認したら、情報筋がマダ早いと云うてますから、待ってクレ。アイ、スミマセン。
筋からの許可が出れば、「みのり会」の最優遇会員様には真っ先にご連絡申しあげます。何卒、イマ暫くお待ちください。
云うてる間に一年が過ぎてしもて、更新の時期。電話があってドオしますかやて。
もおスグ選挙ですから、政治家は資金が必要。ボチボチ出動の時期ですよ。
モオ一年ヤレば前期の会費も今期のも含めて軽く数倍になって取り戻せます。
かと云うて、簡単な金額ではナイのやし、更新は辞めた。東洋興産ではナンの成果もナカッタから、アノお金を返せと云うてやりたかったけど、マンのワルイことです。
私が仕事で忙しいトキやがな。そんなことで、もめてるヒマがナイ。会費は取られたも同然で、私もアッサリあきらめた。
ここで収まってたら、被害もマシやったのになあ。
(00/10/25)


7.投資顧問業者(4) 評論家の予測

お金を殖やしたいなら預貯金なんかやめて「株にしなさい」
あなたのお金を「一億円に殖やす50の法則」
黙っていても「一億円貯まる51の鉄則」
株で一億円作る
5年で10万円を一億円にする投資術

本屋さんを覗いたら、こんな魅力的な題の本が一杯並んでます。
マダマダ有るけれど、一々紹介してられますかいな。目次をパラパラでオシマイです。
とか云い乍ら一億円は魅力やから何冊かは買いまして、ヤッパリ中味はオナジやから、辞めといたらヨカッタのにと後悔ばかりしてるのです。
どっちにしても、本の内容は株で一億円造れるゾ。大金持ちに成れるゾ。勿論のこと可能性はアルのです。
それにしても、十万円を一億円にする法とは凄いこと。これも、そお有ったらなあとは思うし、運さえ良ければ夢ではナイ。
どんな題をつけるのも勝手やけど、マダ、先が有る。
「杉村富生の資産を100倍にする株式投資」、「半年で資産を20倍を可能にする」、「元金100万円を五年後に十倍にする超蓄財法」、「株式投信で儲けよう。リスク分散、資産4倍」、そして、「資産倍増計画」。
千倍が百倍に二十倍に。そして四倍から二倍。次第に現実味を帯びてます。ツイデなら、「資産を減らさない法」が有ったら参考になりますが、これが一番難しい問題や。
私の場合、資金を千倍と、そこまでの楽天家でもナイ。せめてお小遣いを目減りさせんよお、出来ることなら家族全員で海外旅行にと、株をやり始めたのはその程度の出だしやったのに、イランことしてソッチの損失が大き過ぎたのか、マダ一回も行ったことがナイ。
以前にはこの手の本も沢山買おて読みました。最近でも買おて読んでは、吹き出すことも多々有りました。
ナカでも面白かったのは、著者の形而上学的自論が書いてありまして、株式評論家の本は一年や二年は保存してオケ。目的はその本を一年後或いは二年後、結果が出た頃にその推奨株がどおなったのかを検証すること。当たってれば当たり屋で、外れてたら曲がり屋であるから、信用するベカラズと主張してる。
この本を佳く見たら出版が去年のことやった。既に一年経ってたワケでして、丁度ヨイ、この著者の実績を確認しましょう。
十銘柄があって、ウチ八っつがダダ下がり。残り二つも当時と大差ナシ。お見事、外れです。
著者はサンデー・モーニングにも、トキドキ出演の著名人で、今井徴なる経済評論家の著作で、「私ならこの株を買う」。
信用してホンマに買おてたら、一年後には資産も雲散霧消。首を吊ってあの世往き。
但し、このお方は賢いから、シッカリ逃げ道がある。株式専門家との座談会形式で、専門家の注目株として紹介してるだけ。決してご当人の推奨株ではナイのです。
株の話となると、何処の銘柄でナンボ儲かった、儲けさしてもろた。兎に角、儲かった話をする人が多いのに、損した話は聞こえて来ません。
先程来の山程出版されてる本でも株式評論家も、私の知り合いでもオナジこと。
トキには儲かることもアルけれど、儲かってばっかりなら倉が建つ。
特に株式評論家にファンド・マネージャの出版物を読んでたら、どの本も表現がチガウだけで、ダレかさんの焼き直しをして、オナジ内容のことを繰り返してるだけ。
誰其れはこんな方法で儲かった。この銘柄はこんな経過で高騰した、暴落した。有望株は分野を分けてコレコレと、それからコレとコレと、そこまで並べたら、ドレか一つは当たるやろ。
集中投資をしたらアキマセン。逆眼が出たらエライことになって破産してしまう。
そおかと思たら、資金の少ないトキは集中投資。出来る限り安全確実にポートフォリオなるものを組め。
これがホンマに安全確実やろか。一方が下がっても一方は上がると云うけれど、引っ張り合いになって、証券会社の手数料だけは損をする。
これは投資信託がやってることで、登り調子のトキは何処のもヨイし、下りのトキは全部ダメ。
罫線はこんな具合に見ると云うけれど、その罫線そのものが全て結果論。結果からはナンとでも云える。
そもそも、銀行、証券会社、生命保険等々。名だたる頭脳集団が超高性能コンピューターを駆使し、私等では入手困難な資料を入力計算してるハズの経済予測結果がバラバラです。
投資信託もオナジこと。ソレばっかりやってる専門家でも目減りばっかり。
一寸先の世界を予測するための高等数学がどんなモンか知りませんけど、統計計算の一種ですから、ある確率があることが前提になってます。
個別の株価の予測もオナジこと。経済予測以下の確率でしか当たることはナイ。
(00/10/27)


8.投資顧問会社(5) 21世紀情報サービス

東洋興産との契約継続を断った矢先のこと。
突然、「21世紀情報サービス」なる投資顧問会社の谷川なるヒトから電話があった。
こんな名称の投資顧問会社は知らんから、ナンで私に電話をしたのか。
とある会社の株主名簿で見たと云う。とあるはトアルやから何処とは云うてくれません。先物取引でも似た話があったのに、学習効果が乏しかった。
電話の目的は簡単で、会員になったら政治銘柄ではナイけど極秘情報銘柄を教えてあげるとのこと。
一般会員、特別会員、法人会員の三種類が有る。マズは一般会員で試してみたらと云うのです。
一般会員とは文書での連絡やけど、ナンならFAXで連絡してもヨイのです。そお云われても、当時FAXなるものは一般家庭で設置してるのは珍しかった。当家にも有るハズがナイ。
特別会員には電話で連絡指導してあげます。そのホウが早いし適切です。
法人会員はその名のとおり原則法人か資金力豊な個人投資家が対象で会費も高い。一千万円ですから、個人と云うても会社の役員さんくらいです。ソレ以外の会社員のおカタにはお勧めしておりません。通常は一般会員か特別会員で充分ですよ。内容は殆どオナジです。
最初っからこんな高額会員はナイけどそお云うてるだけです。
谷川なる人は続けてこお申しました。
そお云う意味では当投資顧問では会社員の会員さんが多いのです。お仕事もありますから、その点を配慮してご連絡等致しておりますからご安心を。
要するに先物取引業者の場合、下手したら会社に業務時間ナイでも遠慮もナク、電話してくることが有る。所謂、待ったなしの追証発生のトキです。株式で現物のトキはそこまで急ぐことはナイ。都合のヨイ日の都合のヨイ時間帯にご指定の番号に電話しますと云う意味や。
そんな話にマタモヤ乗せられてしもたけど、マエの東洋興産とつながりがあったと推測してるのです。そこを断って、ナン日も経ってナイからや。しかも、手法を替え、双方事務所が東京の日本橋。これはアトで知ったこと。
さりとて、東洋興産との一件が有ったばっかりやから、私も多少は慎重。ではあるけど、私も若造でマダマダ脇が甘いから、相手になってしもたのや。
そんなこと云うてるけど、高い会費だけ取って、ナンにも教えてくれんのやないですか。イチオウは経験もしてるから質問はイロイロしたけど相手はその道のプロ。
そんなことはアリマセン。月に数件の銘柄を連絡してますし、必ずや一般会員さんの場合、資金倍増。特別会員さんなら二三ケ月で資金倍増の実績が有る。一年も経ったら十倍になってしまうのですよ。
そんなこと、ホンマかいなと疑うべきやけど、先方はマズは一般会員となって実績を見て戴いてから、特別会員になったら宜しいですよ。無理することはアリマセン。
いかにも、コッチの立場で親切そおに云うてくれる。
そおやなあ。マズは一般会員で一年間様子を診たらヨイことや。それで、アッサリ会費の五万円を振り込んでしもた。
早速、速達で推奨銘柄とやらの報告書が届いたけど、数件どころか数十件も載ってます。聞いたことのナイよおな銘柄名ばっかりやから分かりますかいな。
スグにでも電話で確認してもヨイけど、早々やってられません。電話のサキは東京やから、通信費用の問題も有る。
そのことを伝えたら、特別会員になって戴ければ、フリー・ダイアルをご連絡申し上げます。そんなことまで、聞いてナカッタで。もっと早いこと云うてくれ。
そやけど、特別会員の会費は東洋興産よりは低いけど、マタモヤ、桁のチガウ金額やから、そお簡単には出せません。
イヤ、ご心配には及びません。コレコレの銘柄を買おて、その儲けのナカからでも支払って戴ければ宜しいのです。
それなら、安心確実でしょう。
(00/10/31)


9.投資顧問会社(6) 契約書のハナシ

私みたいなド素人を騙すのにナンの苦労も要りません。
会費の分割払いが出来るのかいな。それも、儲けのナカからやから可能やないかとアッサリ承諾してしもたのです。
と思たら、早速契約書を送って来て、半年幾らの会費で特別会員として登録する。
収入印紙もチャンと貼ってあって、住所、氏名を書いて、判子も押して、二通のウチ一通は、21世紀情報サービス宛に返送してください。
本来は一年やのにナンで半年契約になってるのか。勿論、会費も半期分にはなってるけど、不思議に思いまして、訊ねたら、谷川なる人物はこお答えた。
「私の誠意を示したのです。」
誠意とはナンのことか。更に質問したけど、
「信用してください。アクマでも私の誠意です。」
笑てそお答えるだけ。この言葉の意味はアトから分かった。
そおいう意味では、社名から人名まで掲載してるけどナンの意味もナイ。理由は話のナカで、分かります。
契約書を送って、スグに電話が有った。特別会員様担当の山田と申します。
谷川なる人から山田なる人に担当者が変わってしもてたのです。
私のことは谷川から全て引き継いでるから大丈夫です。谷川氏は顧客担当から情報収集担当に移動したやて。
そやけど、電話の声は音質は若干チガウけど、どお考えてもオナジに聞こえた。谷川氏と山田氏が同一人物ではナイかと云うことです。
オナジであろおがナカろおがこの担当交代にナンの意味が有るのか、コレ又疑問やったけど、アトで分かった。
さて、土曜日の早朝、何処ソコの銘柄を買えとの指示が有った。この土曜日とは、当時会社は休日で株式市場は午前中はやってたのです。
私の都合のヨイ日は土曜日の朝と伝えてあったからです。会社は休日ですから、午前中に私用を済ませてしもて、午後から出勤が出来る。特に私用がナイときは仕事は山ホドあるから、そのまま出勤してました。
山田氏の話としては、私のタメにその銘柄を一枚確保しておくから、証券会社にスグに電話して、朝一番の値段で買おてクレと連絡すること。
この意味が分からんかったから、どお云う意味かと訊ねたら、そもそもが手に入り難い銘柄やから一枚、ツマリ株券一枚分(千株)を私のために手配しておくから、そのよおに注文しなさいと云うことやった。
四季報を見たけど、そんなに出来高の低い銘柄でもナイ。月単位の出来高ではナン千万株、日単位ならナン百万株も出来てます。そやのにナンで朝一番で買おてくれと云うのか。ワザワザ私のタメに手配すると云うのやろ。
そんな質問もしたのやけど、兎に角スグにも急騰して倍にはナル。即刻そのよおに証券会社に注文してクレと云う。
ソレはソレとして、指示どおり注文は出した。
そのアトで注文は出したか、ソレなら幾らで買えてますから一二週間から約一ヶ月程度楽しみにして、値上がりの状況を注目してくださいとの電話が有った。そんなこと、ヨオ分かるなあと感心してしもた。
イマなら、インターネットで株価程度は分かるけど、当時は証券会社にでも確認センことには、株価は分からんかったのです。仮にも投資顧問会社なら株価情報くらいオンラインで仕入れてたやろ。
朝一番の値段云うたら始値やないですか。つまり適当な指し値をやったら、買えるのか、買えんのか分からんけど、朝一番或いは昼一番の値と指定しておけば、カナラズ成立してしまう。所謂、成り行き注文のことやけど、そのトキはそのことにさえ気づくのが遅かった。
その銘柄を買おたのは、株価数百円代。
十数日で確かに値上がりはした。値上がりはしたけど、値幅は50円程度であったハズ。
その段階でスグにでも売ってクレと云う。売れと云われても倍にはなってナイ。
ナンで売らんとアカンのや。マダ、早いやないか。
そしたら、会費半期分の一部を早よ支払おて欲しいやて。
一部と云うても、要求の金額は株を売却するとしたらその金額のほぼ全額になってしまうし、話がチガウやないか。
流石の鈍感な私でも、相手の正体が見え出して来た。
(00/11/01)


10.投資顧問業者(7) 予測について

私のしてる話は約二十年マエのこととは云え、狂気の沙汰にマチガイはナイ。
イマでも私の知識に大した差はナイけれど、当時はもっとひどかった。
株の価格なるものがナニに寄って動くのかが分かってナイ。ナンの事業をしてるのか禄に調べることもセズ。単に情報誌を見たり、証券会社の担当者が提案したら、鵜呑みしてしもて。いわば、眼を塞ぎ、耳を抑えて、フラリと何処ぞへ歩きに出たよおなモンです。
買うのはヨイけど売るのはもっと難しい。
情報誌なんか適当に推奨してるけど、アトはヨキに計らえ。証券会社もツギに薦めるのがナイ限りホッタラカシ。
聞いても焦ることはありません。そのウチ、そのウチ、ご心配は要りません。確かに会社が存続する限り、株券も紙屑にはなりません。
売るにしても、儲かってたら、儲かってるで、まだ上がるのやないかと思うし、損してたら、少しは戻ってからにしたいとか、決断が難しいのです。
そのウエ、ご丁寧に投資顧問業者なるモノの存在を知って、その業者なら儲かる銘柄を教えてくれて、売り時期、買い時期、全部指導してくれると云うことやから、嬉しいことやないか。
これも、得体のシレン、出版社の広告ならイザ知らず、名のアル一流の出版物に掲載されてる広告やから信用してしまう。
最低限、信用度くらいは調査のウエで掲載してるのやろ。詐欺集団の宣伝なんかしてたら、出版会社の名にキズがつく。
そんなことはナイのです。仮にも日本は資本主義経済。広告料さえ支払えばどんなインチキ詐欺集団でも堂々と掲載してくれます。その境目でやってる業者ばっかりやから分からんのも事実です。
福永法眼も松本智津夫も顔負け。とは云うても、そこまでの荒っぽさがナイから難しい。株式も商品先物も前提は全て自己責任。拉致監禁されて契約したのでもナイ。
云うたらナンやけど、イマでも怪し気な投資顧問業者が宣伝してます。色んな本を出版して、イカニモ有名株式評論家の著作みたいな体裁でアリとあらゆる媒体を用い、宣伝してるから、この世界はコワイのです。そやから云うて、ホンマの有名経済者でもハズレてばっかりやから似たよおなモンやで。
インチキ株式評論家でも、連戦連勝ならご立派な当たり屋評論家。そんな人居てナイけど。
しかも、ダレでも最初は初心者。専攻が経済であれ経営であれ、一介の会社員、商店主なんか簡単に手玉に取られてしまう。ダレもそんな甘いワナのことなど教えてくれません。そやから私が公開してるのや。
それはソレとして、玄人と称する軍団がドレ程の値打ちがアルのかも問題です。
Yahooの株が一株で一億数千万になったトキ、数多の専門家集団はナニを云うてたか。
マズは将来性を買おてるのや。何処まで値が上がるのか従来での物差しでは計測不可。などと好き勝手に煽ってました。もっとも、株式の購入の単位が何千万、ナン億円ともなったら、一般投資家がオイソレと手を出せる金額ではナイ。
そしたら、ダレが売買してたのやろ。仲間ウチと機関投資家がやってるのやて。
云うたらナンやけど、イマだに宣伝してる野村の一兆円ファンド、日本株戦略ファンドでも組み入れてます。お陰様で一直線に下落。元に戻るには何年掛かることやろ。
サンデー・プロジェクトで野村証券の海津政信金融研究所副所長が出演してました。
今年の春頃、イマ頃を予測してたのです。十月前後は日経平均も2万円突破の予測。
お見事、最安値の更新中で一万五千円をウロウロとあって、島田紳助が斯様な質問を一発。
イットキはファンド、ファンドで大騒ぎやったのにこの調子では個人投資家も完全に冷めてますよ。あの大騒ぎはナンヤッタのでしょうかねえ。
海津さんも、そおですねえ、イマは米国株式が波乱状態で日本市場もソレに連動してしまってますから、米国が落ち付かないことにはダメです。
ファンドのことには触れずに外部要因が原因と口を濁してました。
予測とは何処までを予測しての予測やろ。おそらくは米国どころか、欧州もアジア近隣諸国の動向から、為替、原油価格、日本経済の成長予測。その他、ナンの項目がアルのか知りませんが、収集出来る資料は全て収集して、計算したウエでの予測のハズで、アッサリ米国市場の波乱とはウソ八百。もっと云わせて戴ければ、米国のことまでは計算してませんでしたとは、云わさせん。大統領選挙のトキには米国株式には大波乱はナイと云うてたぞ。
このことは、多くの専門家が、海津氏もその専門家やけど、テレビで云うてたで。
マサシク、米国市場に波乱はナイと予測したのは予測のタグイではナカッタのか。
そおでナイなら、単なる占いで、占いのホウが、マダ信憑性があってマシです。
最近は話題にもなりませんが、会社員の厚生年金を日本版401Kとやらに移行して、個人の自己責任に委ねましょう。などと、ふざけたことも云うてました。
島田紳助氏がファンドとはこのことを指してると思うけど、トリアエズ、ファンドをこんな調子で運用されたら、定年のトキには消えて無くなるで。
ついでに、宮沢大蔵大臣も申されてました。米国のIT革命は十年マエからです。日本はイマようやくIT革命時代に入ろうとした処ですから、日本はこれからですよ。多少の波乱はあるでしょうが、ナンの心配もアリマセン。
この話も、今年の春くらいのことで、オナジク、サンデー・プロジェクトで云うてました。
私は、こおいうエライさんがテレビで公言したことは記憶することにしてるのです。
桁違いの情報量を知り得る立場で情報分析能力もある頭脳明晰な面々がどの程度の先見性がアルのかが知りたいだけ。結果はこの程度です。
実は彼等の思考回路には時代の変遷速度が計算されてナイ。確かに日本のIT業界なるものは米国の十年遅れと云うわれてるけど、これは株式市場でのこと。政治家は遅れてるどころか、ウシロ向きに進んでて、ソレはベツ問題。
株式市場での立ち後れの十年をそのまま日本の今後の十年に投影したらアカンのや。凄い加速度がついてます。
携帯電話にしても、五年マエには、マダ珍しかった。イマや常識。ここまでの普及には五年も掛かってナイ。僅か二三年で変貌してしもた。それを予測計算の要因に加えてナイから外れて当然。
やっぱり、専門家の予測より、占いのホウが信憑性がある。
外れたところで、最初っから半信半疑やから諦めもつく。
(00/11/03)


11.投資顧問業者(8) 内閣支持率と日経平均

それ程に決算書が読めたところで、株式との連動性は少ない。
かと云うて、マッタク分からんではメクラも同然。
イツまで経っても赤字の会社に全財産を投資したら、そのウチ倒産してしもて、株券も紙屑とナリ、投資家も破産する。
財務諸表の内容がヨイのが投資するには無難でアルに決まってる。アトは諸々の雑音に惑わされぬよお、特に評論家の口車に乗せられぬよお、断固たる信念でやらんとアカンのや。それが出来たら苦労はナイ。
そのマエに日本の株式市場は何故か学者先生諸賢の理論どおりにはナランのです。
原因は至って簡単で、日本の株式市場そのものに主体性がナイ。欧米勢の好き勝手にやられる草刈り場。日本の政府、そのものに主体性がナイから市場にアルはずがナイ。主体性を持ってやろおにも、身内であるハズの政府高官がナンやカやと規制して、足を引っ張る。
そのクセ、日経平均が安値でも更新したら、総理大臣と大蔵大臣が報道陣に囲まれて、ナニか一言と求められるから、仕方ナク、
「株式市場の動向には関心を持って注視する。」
と答えてくれる。
果たして、このお言葉やけど、報道陣はこの日本語の意味をどのよおに解釈してるのか。私には報道する程の意味もナイ、単なる世間話にしか聞こえませんのです。
これを素直に解釈したら、
「そもそもが株式市場の動向なんかこのクソ忙しいのに注目なんかしてられるもんですか。
そやけど平均株価が低下してるらしいから、これからは少しは注意して視てみましよう。」
そお云うてるのです。
日本語には精通してる報道陣やから、この程度の日本語は理解してるハズ。イカニモ、ナニかあったら、ナニかスルみたいに聞いたヒトは甘いのや。そんなことマトモに口にしたら、トンでもナイ政治家であるとマスコミから袋叩きにされてしまうのが日本の現実でもアル。
そんなことにナランよお、アクマでも注視で、注視とは神経を集中して視ると云うことで、視た結果からナニかすると云う意味ではナイ。勘違いしてはイケマセンのです。
ところが個別銘柄はベツにして、日経平均がナニに連動してるかと云うとナニを隠そう内閣支持率。
これはハッキリしてるのや。イマ森総理大臣の支持率が史上最低で、17%台。不支持率が、ナンと70%程度。図々しくも厚顔無恥にも、ヨオ居座ってます。
総理大臣がこの程度の見識、知能では日本の経済がヨクなるハズがナイ。外国人はそれを冷静に視てるのや。
つまり、日経平均をヨクするには内閣支持率を上げればヨイ。逆もマタ真也で日経平均が高おなったら、内閣支持率も回復する。これこそ歴史が証明してる。
経済の調子のヨイときには、ボンクラ政治家でも支持率が低下することはナイ。イランことして、邪魔さえしてくれんかったらヨイのです。
米国のクリントン大統領がモニカ・ルインスキーさんとの醜聞でも大丈夫やったのは、米国市場が好調なためです。経済が低迷してるトキには、何処の国でもボンクラ政治家では持ちません。
イマの日本がそれで、学生の就職率は低下して、当然凶悪犯罪は増加して、リストラの進展で失業率とホーム・レスは増大して、国の借金と老後の心配だけは肥大膨張。
ナニがドオなるのかと云うと、サキの楽しみが乏しい社会に進んでる。
斯くの如く、内閣支持率と日経平均の相関関係に森さんが、宮沢さんが、ついでに堺屋さんも気付いてるなら、こんなことにはなってナイ。分かって手を打たんのは、分かってナイのとオナジこと。
特に東大出身の元総理大臣、現大蔵大臣の宮沢さんは、
「市場のことは市場に任さんと仕方がナイ。」
などとアホな公式論ばっかり云うて、至極簡単な計算が出来てナイ。市場が好転したら実体経済もヨクなって税収も増える。
ツマリ、国の借金を減らすのは、増税だけではナイ。景気を好転させるのが一番早い。
評論家がナニを云うても無責任でスムけど、政治家が来期も企業の業績向上が継続されるのに、市場は正当な評価をしてないと単なる傍観者みたいなことを云うてる間はダメです。
その政治家を選んだ選挙民もダメやから、リストラされて就職出来んかっても仕方がナイけど、そのトバッチリを受けるホウはツマランのです。
さて、ヘンな話やけど、二十年マエに戻す。
世の中には甘いワナを張り巡らせて、生き血を吸いたがってるヤカラがウジャウジャ。
東洋興産も21世紀情報サービスなる投資顧問会社もそのトキは実際に存在したけど、この話の何ヶ月後には消滅してるのです。
完全に消滅したのではナイ。会社名称を変え、現在でも暗躍してる可能性はアル。谷川、山田なる苗字も、実名か実名でナイのか。
商品先物業者の話をしたけど、似たよおなモンで、社名をコロコロ替えて暗躍してるのです。
そしたら、大証券会社は大丈夫かと云うと、偽名まではナイけど、一二年で担当者がコロコロ替わるから、似たよおなモンです。前任者の推奨銘柄で大損してても、持って行き場がナイ。新任者に訴えたところで、
「そおですか。」
そのマエにこの世界では全て自己責任が前提です。
投資顧問業者が二三ヶ月で二倍三倍。ナンなら一年で十倍と云うたところでホンマは信用なんかしたらアカンのです。
あくまでも、お手並み拝見のつもりでやってクレ。そのつもりやったのが、イツの間にやら会費が高い分、ナンとか回収したいとなってしまう。
21世紀情報サービスの会費を払うについては、マダ予定の株価には達してナイけど、契約したからには株を売却して、ナンボかでも納めんと仕方がナイ。予定の株価と云うても、最初っから幾らと設定したワケでもナイ。
儲けのナカからとは谷川氏との話やったけど、それを山田氏に云うたところで、そんなこと谷川が約束するハズがナイと云い張るだけ。
そやったら、谷川氏と話をしたいと云うても、兎に角、担当を外れたからとヌラリクラリ。
契約書には、ベツの電話番号も有ったから、そこに電話したら、マタ、山田氏が出て来よる。
谷川氏は居てません。声からしたら、どお見ても同一人物やのになあ。
そして、ナンとか半年分の会費は完済したけど、会費を上回る程の儲けはナシ。結果的には投資金額が目減りしただけ。
さて、予定の半年を経て継続の話です。更新をどおしますか。当然、辞めてオク。
残念ですねえ。本来の契約なら一年ですが、前任者が半年にしてますから、継続のタメには、新たに契約書を作成し治して、会費を納めて戴く必要があるのです。
もっと場が良ければ会費の数倍、数十倍は軽く突破出来ますのにねえ。残念ですが契約は打ちきりましょう。マエに谷川氏が意味深長に誠意と云うたのはこのことやろ。
一年契約にしてたら、会費は倍額になる。私が余りに裏社会に疎い相手やから、彼から同情したのやろ。情けナイことですが。
それから、数年後(昭和62年)のこと、「追求、悪徳投資顧問業者」(小林正和著)なる本が出版された。
お見事、東洋興産の「みのり会」、21世紀情報サービスの谷川、山田両氏の手口が掲載されてます。もっと悪辣な事例があって、ヤクザ同様、脅迫されたのもあったらしい。
イマでも人気の情報誌の綴じ込みの無料銘柄相談にはクレグレもご注意を。
伝統と歴史があって、先生は本まで出版してるとか。甘い話にはワナがアル。
会費が次第に釣り上げられることになるだけで、中味は二十年マエのこの話とホボ一緒。
敵さんの手口も進歩はしてませんのです。
(00/11/04)